RaisonDetre
気づくと時計も夜の七時をまわっていた。そろそろ宿を決めるか、と適当に金を置いて店を後にした。

「・・・。この身なりじゃあ追い返されるか?」

ハァ・・・と深くため息をつくと頭をわしわしと掻いた。

散髪屋に靴屋に銭湯に洋服屋。

一通りまわるとかなり遅い時間になってしまった。

だが身なりはかなりちゃんとしたものになった。最後に行った洋服やでかなり女性の店員が見立ててくれた。
髪も肩の長さぐらいまで切りだいぶすっきりした。
きちんとしていればそれなりにいい男なのだが自分では意識していないのが盲点だ。

それはさておき今夜の宿だ。

見渡す限りではこの辺には買い物目当ての店しかないように見えるのだが・・・。
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