《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「そうか。

それじゃあもう一曲いこうか。

……何かリクエストは
ありますか、レディ?」



「え…………?」



ヤだ。

“レディ”なんて――
先生のくせに、なんてこと
言うの。



顔がカッと熱くなるのがわかる。



電気をつけてない室内には
夕陽が差し込んでるけど、
もしかしたらそれ以上に、
あたしの頬の方が朱いかも
しれない。



あたしは動揺を悟られない
ように、とっさに呆れた
声を出した。



「く、久住先生って、
真面目そうなのに意外と
チャラいんですねっ」


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