《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「……………っ!」




気づくとあたしは、再び
伸びてきたお父さんの
手を乱暴に振り払ってた。



そしてお父さんがふら
ついた隙を逃さず、飛び
出すように部屋の外へ出る。



「あ……か、花琳!

待ちなさい!」



あわててお父さんが追い
かけてくるけど、立ち
止まったりなんかしない。



階段を駆け降りて、
サンダルをつっかけて――。



その時、リビングの出入口
から不安げな顔でこっちを
見てるお母さんが視界に入った。



「……………っ」


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