《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
     * * *



「…………どうしよう」



街灯がともる夜道を歩き
ながら、途方にくれる。



――正直、せめて財布と
携帯は持ってくるべきだった。



夢中だったから本当に
着の身着のままで出て
来ちゃったけど、お金が
なくちゃ何にもできない。



(かといって、すぐに帰る
わけにもいかないし……)




こんなことをしたのは
生まれて初めてだ。



どうしたらいいのかわから
なくて、足の裏から冷たい
不安がヒタヒタとのぼってくる。


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