《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
案の定、将輝はあたしの
内心なんて知りもしない
呑気な声で、無遠慮に
尋ねてくる。

……予想どおりの反応だ。



「……うるさいな。
別に言う必要ないでしょ。

将輝は買い物終わったなら、
さっさと帰れば」



顔を背けてつっけんどんに
言うと、将輝は『ああん?』
とか言いながらすかさず
反対に回り込んで、



「何だよ、態度わりーなぁ?

オレは普通に挨拶しただけ
だぜ〜?」



「ちょっ、やめてよ……!

出入口で何やってんのっ」



とっさにそう言ったけど、
本当の理由は別だった。


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