《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
明るい店内じゃ、きっと
あたしの顔もハッキリ
見られちゃう。



それが嫌で顔を背けたのに、
わざわざ回り込んでまた
顔を覗き込んでくるから――。



“こんな顔、見られたくない”



そう思ってたのに――
あたしの努力は、完全に
ムダになってしまった。



「…………?

なんかお前――目ぇ、赤くね?」



(……………っ!!)



「そっ、そう? 気のせい
じゃない?」



答えた声は、自分でも
呆れるくらい白々しい。



つくづく、嘘の苦手な
性格を恨んじゃう。


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