《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「気のせい……じゃねーだろ。

つか、声もおかしいし」



「…………っ!」



涙はもうひいてたけど、
家を出た直後に嗚咽を
こぼしながら走ってた
せいだろうか。



声に関しては、今将輝に
言われて初めて意識した。



(サイアクだ……)



あたしは諦めに近い
ショックを感じながら、
フラフラともう一度外に出る。



「―――は? なんで出んの?

買い物しねーのかよ?」



「いいのよ、もう……」



こんな姿将輝に見られて、
何事もなかったように立ち
読みなんてできるわけない。


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