《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
背後で自動ドアが閉まる
音を聞いたあたしは、
よろめくみたいにして
駐車場の隅まで歩き……

そしてそこに、崩れる
ようにしゃがみ込んだ。



「……オ、オイッ?

どーしたってんだよ、花琳!?」



「……ほっといて。

今、疲れてんのよ」



「疲れてって――マジで
どーしたんだよ、なぁ?」



目の高さに、眉をハの字に
した将輝の顔が飛び込んでくる。


――将輝もあたしと同じ
ように、しゃがみ込んだんだ。



「何してんの。

将輝は帰りなよ」


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