《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
……無糖で、あたしには
苦かった。



だけど将輝の言ったとおり、
温かさは体の中に染み込む
ように広がっていく――。



(ありがと、って言うべき
なのかな。

でもなんか、将輝にそんな
こと言い辛いや……)



からかわれて、言い返して。



そんなことばっかりもう
十数年も繰り返してきた
相手なのに、こんな意外な
一面見せられたら、調子
狂うじゃん……。



「………………」



「………………」



「……寒くないかよ?」



「……うん。大丈夫」


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