《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
今のちょっといいヤツ
モードな将輝なら、頼めば
少しくらいお金貸して
くれるかな。



そしたら駅前のネカフェで、
一晩くらいは余裕で越せる――。



「何があったか知らない
けど、帰れよ。

心配してんだろ。
おじさんもおばさんも」



始めたばっかりの思考を
ソッコーで遮られて、
あたしはちょっとムッと
した顔で将輝を見る。



「偉そうに、わかった
ようなこと言わないでよ」



心配? してるかどうか
だって怪しい。



お父さんが心配してるのは、
お母さんのことだけだ。


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