《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
思いがけない言葉に、
あたしは空から視線を戻す。
目を向けた先で、久住先生は
まっすぐにあたしを見てた。
そしてほんの少し目を細め、
静かに小さな息をつくと、
「人は忘れていく生き物だ
なんて、よく言うけど……
そうじゃないことだって、
数え切れないほどある。
前が見えなくなるほど辛い
過去に囚われてしまうこと
だって――あるよ」
「先生―――…」
「……如月は今、その
真っ只中でもがき苦しんで
るんだね。
わかるよ。その辛さは……」
_
あたしは空から視線を戻す。
目を向けた先で、久住先生は
まっすぐにあたしを見てた。
そしてほんの少し目を細め、
静かに小さな息をつくと、
「人は忘れていく生き物だ
なんて、よく言うけど……
そうじゃないことだって、
数え切れないほどある。
前が見えなくなるほど辛い
過去に囚われてしまうこと
だって――あるよ」
「先生―――…」
「……如月は今、その
真っ只中でもがき苦しんで
るんだね。
わかるよ。その辛さは……」
_