《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「……わかってます。
もちろん……」



だけどそれでも、思わず
そう願った。



そんな考えから何も生まれ
ないことはわかっていても、
どうしても、辛くて。



「先生………あたしは、
どうすればいいんですか……?」



この辛さから、過去から
逃れる方法があるなら、
教えて欲しいよ。




どうすればあたしは――

あたし達は、前に進めるの――?




「如月…………」



いつの間にか、あたしは
腰を浮かして先生の腕に
すがりついてた。



深い黒をした先生の瞳と、
視線が絡み合う。


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