《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
瞳を伏せると、久住先生は
頭に乗せてた掌をずらして、
指先で軽くあたしの頬に触れた。



ビックリして顔を上げた
あたしに、先生はフワリと
どこまでも優しい笑みを向けて、



「大丈夫だよ。

如月は弱くなんかない。

きっと――いや、必ず、
見つけられる」



「せ……んせい……っ!!」



溢れ出した熱い雫が、
ハラハラと頬を伝った。



本当に――どうして先生は、
全てわかってくれるんだろう。



言葉にしてないのに。



あたしの胸の内を全部
理解して、欲しいと思う
言葉を、まるで天から射す
光のように与えてくれる――。


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