《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜


「………こんにちわ」



放課後。


小さくドアを開けて
音楽室に入ると、あたしは
もはや指定席になりつつある、
最前列の真ん中の席に座った。



ピアノの前に座ってる
先生は、ニコッと笑って
『こんにちわ』と返してくれる。




――もう何度、ここで
こうして会ったかな。



最近では演奏よりも話を
する方がメインで、全く
ピアノを弾かない時だって
あった。



始まりの合図も、今では
ピアノの音じゃない。

――メアドを交換したからだ。


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