《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「そ、外って………?」



(それって――どういう
意味――…?)



「……いい演奏会があるんだ。

いつもオレの演奏を聴きに
来てくれてるお礼に、
よかったらと思って――」



「……そ、そうですか……」



トクトクトクトク。



あたしの心臓は
壊れちゃわないだろうか。


胸に手を当てたいのを
必死で我慢して、
『落ち着け落ち着け』と、
心の中で唱える。



「………よ、予定が合えば……」



震える声で答えると、
先生も安心したように
小さく微笑んだ。


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