《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜


最寄り駅で降りて、駅から
家までの道を歩く。




ようやく鼓動は収まった
けど、代わりにもう何度と
なく、深い深いため息が漏れた。



(先生なのにあんなこと
言うなんて、反則――…)



お礼だなんて言ってた
けど、ホントは絶対に
そんなの必要ない。


あたしが勝手に先生の
演奏を好きになって、
聴きに行ってるだけなんだから。



それなのに、あんなこと
言われたら。



(どうしても、変なこと
考えちゃうよ……)



――淡く甘い期待が、
胸をくすぐる。


_
< 196 / 440 >

この作品をシェア

pagetop