《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「ホント、どこまでも
ルーズなヤツ……!」



そんなことを呟きながら
教室を出て、廊下を歩いて
たら――…。



(……………?)



ふいに、かすかな音が耳を
くすぐったような気がして、
あたしは足を止めた。



(気のせい――…?)



でも、たしかに聞こえた
ような気がする。



確かめるために、しばらく
その場に立ち止まった
ままでいると――

やっぱり、聞こえた。



――間違いじゃない。



風に乗ってどこか遠くから
流れてきた、小さな音。


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