《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
ムリだとしても、精一杯
自分の胸に言い聞かせてた時。



―――待ち望んだ声が、
あたしを呼んだ。



「如月!」



弾けるように顔をあげた
先で、軽く微笑みながら
歩いてくる人。



キャメル色のコートが、
なんか大人っぽくて
カッコイイ……。



「せ、先生――…」



「やぁ、ビックリしたな。

どこの可愛いお嬢さんかと
思ったら。

……雰囲気、いつもと違うね」



「だ、だってコンサート
だし……。

てゆーか先生、
言い方オヤジくさい」


_
< 219 / 440 >

この作品をシェア

pagetop