《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
そう瞳をキラキラさせて
話す先生は本当に嬉しそうで、
あたしも嬉しくなった。



やがて目的地に着き、
会場に入り……。



案内された席が、ホントに
一番いい辺りだったんで
あたしはビックリする。



(ちょうど真ん中……S席
でもベストな所だよ……)



「……先生。こんな席
高かったんじゃないんですか?」



恐る恐る聞くと、先生は
クスッと笑って、



「そんなこと気に
するんじゃないの。

いい音はいい場所で聴けた
方がいいだろう?」



「でも………」



「でもじゃないよ。

ホラ、座って。じきに始まる」


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