《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
――ショパンの“幻想即興曲”。



目まぐるしく紡がれる音が
渦を巻くように流れる、
アレグロ=アジタートの
冒頭部分。



そのほんのさわりだけで、
あたしは一瞬にしてその
渦に巻き込まれてしまった。



「す……ごい……!」



音に、魅了される。


まさしくその一言。



曲として完成されつくしてる
だけじゃなく――

その音には、聴く者の
心をとらえて離さない、
パワーがある。



曲は速さやメロディーを
変えて、淀みなく続く。



時に切なく、時に射す日の
光のように、希望を感じさせて。


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