《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「やれやれ。

まさに心ここにあらず、だな」



「す、すみません……」



やっぱりそうみたいだ。



恐縮して肩をすぼめると、
先生はクスッと笑って、



「いいけどね。

そんなに感動してもらえた
なら、オレも誘ってよかった。

――感想は?」



「すっごくよかったです!

ピアノソロもオケとの
協奏曲も、言葉にできない
くらいよかった!

こんなに“いい音”を
聴いたのは久しぶりです」



興奮冷めやらぬ状態で
矢継ぎ早にまくしたてたら、
先生は瞳をクルッと回して
驚いた顔をする。


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