《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
先生の声のトーンが変わってた。



言葉どおり、今までの
ふざけた感じは一瞬にして
消し去った、真面目な響き。



「先生………?」



あたしは立ち止まったけど、
先生は歩く足を止めようと
しない。



だからあたしも後を追う
ように、もう一度歩き出す。



戸惑うあたしが横に並んだ
時――

先生は優しくあたしを
見下ろして、言った。




「ピアノを弾いてみたら
どうだい? 

―――もう一度」




「―――――っ!!」



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