《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「それだけ大好きなんだろう?

ピアノが」



先生はあたしの質問には
答えずに、逆に問いを
返してくる。



だけどあたしはこれっぽっちも
不快には思わない。



不思議ともう、まっすぐに
首を縦に振ることができた。



「理由とか、よくわかん
ないんです。

ただもう、気づいた時には
あたしはピアノと一緒に
いたから。

嬉しいとか悲しいとか、
どんな感情を感じる時にも……
そしてそれを周りに伝える
時にも、ピアノがいて……」



ピアノを弾くことは、
あたし自身。


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