《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「ああ。

君はきっと戻れるよ。

音と光に包まれてた、
暖かな春の日に」



「………はい………!!」



戻りたい、その日に。



あたしも心から、そう思った。



「あたし……もう一度、
ピアノを取り戻します――!」



過去に置いてきたものと
一緒に、あたしの一番
大切な、ピアノを。




―――今、ハッキリとわかった。




あたしに足りなかった、
“何か”。



それはきっと――“勇気”だ。



向き合うのが怖かった。



乗り越えるのが、怖かった。


_
< 242 / 440 >

この作品をシェア

pagetop