《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「お客さんって――誰?」



誰ともなんの約束もしていない。



というか、休日に突然
家までやって来る知り合い
なんて、あたしには
ほとんどいないはずだ。



(もしかして将輝?

また何かたかりに来たの……?)



そう思ったけど、お母さんの
返事はさらに意外なものだった。



「苑子ちゃんよ」



「苑子さん―――!?」



もう12月に入ったから、
帰って来てておかしくはない。



だけど――どうして彼女が、
あたしに会いに来るの?



当惑で、あたしは
黙り込んでしまった。


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