《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
ここは2階だから、階段を
昇れば音楽室はもうすぐそこ。



誰も見てないのをいい
ことに、階段を一段
飛ばしで駆け登った。



3階に着くと、迷わず突き
当たりの音楽室に足を向ける。



でも――ためらうことなく
歩を進めながらも、体は
かなり緊張してた。



近づくほどに幻想的な
“月の光”のメロディーは
大きくなるけれど……

だけどあたしの鼓動は
まるでそれに反比例してる
かのように、トクトクと
速さを増して――…。



………緊張と期待。



それが入り混じった、
何とも言えない不思議な感覚。


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