《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「だからあたし、先生を
応援します。

あたしとその人は違うけど……
でもそれで先生が過去を
ふっ切れるんだったら、
あたしも嬉しい。

そうして先生もあたしも、
新しい一歩を踏み出す
ことができたら――…」



貰ってばかりだと思ってた
あたしにも、先生のために
できることがあるなら。



―――こんなに、嬉しい
ことはないよ。




「先生。あたし――…」




本当に、フワリと。



どこからともなく吹き
込んできたそよ風のように、
信じられないほど軽やかに、
言葉が口をすり抜けていた。


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