《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「迷惑なんかじゃ……ないよ。

オレも、“君”が好きじゃ
なかったら、こんなふうに
かまったりなんてしない――」



――大好きな大好きな。



先生が作り出す音と同じ
くらい優しい、先生の声――…。



(ありがとうございます、先生。

その言葉だけで、充分です……)



もちろん、生徒としての
“好き”だってわかってる。



だけど本当に―――もう
それで、充分だ。



「――先生。
お願いがあるんです」



さっき心の中に芽生えた
思いを、あたしはまっすぐに
先生を見て言った。


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