《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
先生は初日に駅まで送るって
言ってくれたけど、うちの
生徒に見られないとも
限らないから断った。



今日も『ありがとうござい
ました』と一礼して、
あたし達はその場で別れる。



あたしは駅へ。


先生はあたしが一人で帰る
って言ったから、いつも
一度学校へ戻ってるみたい
だった。



街灯の燈る駅までの道を、
一人急ぎ足で歩いていると――
何の前触れもなく、突然
誰かがあたしの名を呼ぶ。



「――――花琳」



「え―――…!?」



あたしはギョッとして声の
方向を見た。


_
< 329 / 440 >

この作品をシェア

pagetop