《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
将輝は顔をクシャッと
歪めて、核心に触れる
問いを投げてくる。



「将輝………」



周りに打ち明けるのは、
もう少し後にしたいと思ってた。



奈緒や高校の友達はあたしが
ピアノを弾くことすら
知らないんだから、話せば
驚かせるに決まってる。



今はお姉ちゃんの“CANON”を
完成させることや練習で、
本当に頭が一杯で……

だからそれ以外のことは、
お姉ちゃんの墓前でケジメを
つけてからにしようと
思ってたんだけど……。



(この状況じゃ……今は
言えないなんて、さすがに
ムリかな……)


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