《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
将輝の性格もあるけど、
それ以上にそんなにも心配を
かけてたんだってことに
気づいて、あたしは観念した。



「……わかったよ、将輝。

ちゃんと話す」




――そうしてあたしは、
夜道を二人で歩きながら、
将輝に今日までの経緯を
かいつまんで説明した。



久住先生とは、偶然彼が
ピアノを弾くのを知って
仲良くなったこと。



苑子さんからお姉ちゃんの
日記と楽譜を貰って、また
ピアノを弾く決心をしたこと。



先生の勧めでコンクールに
出ることにして、作曲と
練習を、あのスタジオで
してたこと――…。


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