《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「だからいいってば。

今は、穂乃花さんの残した
曲を完成させるのが第一
なんだろ。

とにかく、頑張れっ!」



そう言うなり、将輝は
ズンズンと歩いてきて、
あたしの背中を思い切り
バチーンと叩く。



「――――ったぁっ!!

な、何すんのよっ!?」



あっという間にいつもの
テンションに戻って、
あたしは逃げる将輝を
猛ダッシュで追いかけ始めた。



将輝の尋ねようとした
ことは、きっと――あたし
にも、わかってるかもしれない。



だけどそれを封じ込めて
くれた将輝の心を、今は
素直に受け取ろうと思った……。





     * * *


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