《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
響き渡る、大ボリュームの
めちゃくちゃな和音。



あたしは心臓が飛び上がる
くらいビックリして――
そのはずみで、持ってた
学生鞄を、思い切りドアに
ぶつけてしまう。



「……………!!」



焦った時にはもう遅かった。



少しだけ開いた隙間から、
久住先生がハッと驚いた
顔を向けるのが見える。



彼は立ち上がり、こっちに
向かって歩き始めた。



(ど、どーしようっ)



盗み見なんてしてたのが
バレたら、どう説明して
いいかわかんない。


_
< 34 / 440 >

この作品をシェア

pagetop