《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
煎れたてのコーヒーを
カップに注ぐと、それを
持ってリビングに戻り、
お母さんに渡した。



「飲んだら。

暖房も入れないでそんな
所にいて、体冷えてるでしょ」



ここ数日は晴れの日が
続いてるけど、それでも
朝晩の空気は身を切る
ように冷たい。



反応がないからグッと
カップを近づけたら、
お母さんはようやく力無い
動作でそれを受け取った。



渋々……というか条件反射
なんだろうけど、とりあえず
一口飲んでくれる。



……それでいい。今は。


_
< 340 / 440 >

この作品をシェア

pagetop