《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
お父さんと苑子さんがそう
言葉を交わしたっきり、
車内には沈黙が訪れる。



やがて予定より少し早い
時間に、車は霊園の駐車場に
到着した。


ここで合流する親戚も
何人かいる。



「兄さんのところはまだ
来てないみたいだな」



「じきに着かれるでしょう。

連絡してみる?」



相談を始めた両親に、
あたしは控えめに声をかけた。



「お父さん、お母さん……
実はあたし、もう一人
連れてきたい人がいるの。

駅で待ってるはずだから、
迎えに行ってきていい?」



「え………?」


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