《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「…………っ!」
とっさに、あたしは走り
出してた。
逃げるなんてよけいずるい
ってわかってたけど、でも、
久住先生に説明する勇気は
とてもなくて。
バタバタと足音をたてて
走る背後で、キーッと
ドアが開く音。
それに、よく通る声が続いた。
「待って、君―――」
「…………っ」
その声に、さらに鼓動が跳ねる。
でも、立ち止まることは
できない。
あたしは声を振り切って、
一目散に階段を駆け降りた――。
* * *
_
とっさに、あたしは走り
出してた。
逃げるなんてよけいずるい
ってわかってたけど、でも、
久住先生に説明する勇気は
とてもなくて。
バタバタと足音をたてて
走る背後で、キーッと
ドアが開く音。
それに、よく通る声が続いた。
「待って、君―――」
「…………っ」
その声に、さらに鼓動が跳ねる。
でも、立ち止まることは
できない。
あたしは声を振り切って、
一目散に階段を駆け降りた――。
* * *
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