《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「先生…………?」



呼びかける声にも、とう
とう先生は返事をしなかった。



そしてたっぷり数秒は
間隔をおいてから、今度は
逆に質問をしてくる。



「如月……先にひとつだけ、
聞いていいかい?」



「―――え? は、はい」



「君の――お姉さんって
いうのは――…」



―――その時、先生の声を
遮るさらに大きな声が、
遠くからあたしを呼んだ。



「おーい、花琳!」



お父さんだ。



あたし達はもう駐車場の
手前まで来てたけど、その
駐車場の中から、お父さんが
手を振ってる。


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