《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
先生もおとなしくついて
来てくれてたけど、やっぱり
表情は陰ってた。



―――どうしてなの?



ついさっきまで静かな
決意に満たされてたのに、
心の中に一気に暗雲の
ような胸騒ぎが立ち込める。



不吉な黒い雲はあっという
間に青い空を覆い隠して、
今にも大粒の雨が落ちて
くるかとさえ感じられた。



(―――ど、して……?

久住先生――…)



声にならない問いを重ねる
間にも、あたし達は一歩
ずつお姉ちゃんの元へと
近づいていく。



そしてとうとう、あと
数メートルという所まで来た。


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