《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
叔父さん夫婦が、一足先に
墓石の掃除を始めてくれてる。



「兄さん、悪い。待たせたね」



「あぁ、来たか。いやなに
かまわないさ。

――さ、お前達も穂乃花に
綺麗な水をやるといい」



お父さんによく似た叔父
さんが、軽く笑って言う。



その声に―――何だか
変な音が重なった。



ドサッという、何かが
落ちたような音。



音の出所を探して――

あたしはそれが、先生が
片手に持ってたセカンド
バッグを落とした音だと
気づいた。



「久住先生………?」


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