《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
先生は、驚いてるみたいに
見える。



ううん……この言い方は
正しくない。



だってその表情は、
ちょっとビックリ程度の
軽い驚きじゃないから。



そう―――表現するなら、
“愕然”。



それくらいでしっくりくる
ほどの、驚きよう。



「………穂乃花が……
死んで……?」



蚊の鳴くような小さな声。



だけどそれはハッキリと、
あたしの耳に届く。



「え……………?」



あたしはいつの間にか、
パラレルワールドにでも
迷い込んでたのかな。



………だってそうでなきゃ、
どうして先生がお姉ちゃんを
“穂乃花”なんて呼ぶの?


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