《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
#2 封じ込めた音
* * *
家に帰ってからも、まだ、
あたしの心臓はトクトクと
落ち着きがなかった。
走って校舎を出た動悸は、
電車に乗って家まで歩いて
くる間にすっかり収まってる。
だけど静かな興奮だけは、
いつまでも冷めることが
なくて――。
「………ただいま」
玄関からまっすぐダイニングに
入ると、キッチンで夕食を
作ってるお母さんに声をかける。
お母さんはお鍋を掻き回す
手を止めて顔をあげると、
「お帰りなさい。
……遅かったのね」
_
家に帰ってからも、まだ、
あたしの心臓はトクトクと
落ち着きがなかった。
走って校舎を出た動悸は、
電車に乗って家まで歩いて
くる間にすっかり収まってる。
だけど静かな興奮だけは、
いつまでも冷めることが
なくて――。
「………ただいま」
玄関からまっすぐダイニングに
入ると、キッチンで夕食を
作ってるお母さんに声をかける。
お母さんはお鍋を掻き回す
手を止めて顔をあげると、
「お帰りなさい。
……遅かったのね」
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