《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
どこをどう走ったのかも
わからない。



でもふと周りを見ると、
なんとなく見覚えのある
街並みになってることに気づく。



本能的に、自分の住む街の
方向へと、走ってたみたいだ。


――家に戻ったって、
どうなるものでもないけれど。



「ど……して………」



もはやあたしにも、この
言葉しか思いつかないよ。



どうして?


どういうことなの?



――先生がずっと想って
いた人は、お姉ちゃんだった。



物別れになってしまった
ことを悔やみ、今もまだ
忘れることができないで
いる相手は、お姉ちゃんだった。


_
< 362 / 440 >

この作品をシェア

pagetop