《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
そう言って、自分が
抱きしめたせいで乱れた、
あたしの制服の襟を直して
くれる。



「ま……さき……?」



「人を純粋に想う気持ちに、
間違いもクソもあるか。

たとえ伝えられなくたって、
叶わなくったって――
その想いは純粋で、大切な
自分の感情だろ。

だから間違いだなんて、
オレは絶対に思わない」



そう話す将輝に、さっき
までの張り詰めた表情は
もうない。



「将輝……それは……」



戸惑うあたしに、将輝は
照れたように頭を掻いて
さらに言った。


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