《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「静かだな………」



耳に届くのは、グラウンドで
部活をしてる生徒のあげる
歓声や、怒鳴り声だけ。



正面口からだとグラウンドは
校舎を挟んだ反対側にある
から、その声も遠い。




……あたしは昇降口に
着くと、閉まってる扉に
そっと手を触れてみる。



――鍵は開いていた。



あたしは周囲に素早く目を
走らせ、校舎の中に入る。



静まり返った廊下を落ち
着かない思いで歩き――
まっすぐに、音楽室を目指した。



久住先生がいるとは思ってない。



それでも少しでも、先生の
存在を感じたかったんだ。


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