《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜


――あの音のひとつひとつが、
全て、先生の心。



いつも、慈しみと優しさに
溢れる、天使が奏でてるの
かと思えるほど、温かな
メロディーだった。



あの音を奏でながら――
先生は、何を思ってたんだろう。



先生が時々どうしても
ピアノを弾きたくなるのは、
なぜだったんだろう。




「先生―――会いたいよ――…」




あたしはまだ、先生の
ことを何も知らない。



先生の過去も、今、心に
背負っているものも。



何も知らずに、あたしは
先生にたくさんのかけがえの
ないものを貰った。


_
< 387 / 440 >

この作品をシェア

pagetop