《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「納得なんてできなかった。

でも、彼女の支えになれ
なかった自分の無力さと
ふがいなさ。

そしてそれ以上彼女を
苦しめることが怖くて――
オレはその日を最後に、
病室を訪ねることをやめて
しまったんだ。

それからしばらくは大学
にもどこにも行かず、引き
こもって……」



「先生………」



――実際にはその数日後、
お姉ちゃんはこの世を去ってた。



だけど二人の関係を誰も
知らなかったのと、先生が
誰とも連絡を取らなかった
から、それが耳に入ることは
ないまま、時が流れて――…。


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