《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
その苦しみを思うと、胸が
張り裂けそうだった。



「オレがここでピアノを
弾いてたのは、彼女への
贖罪だったんだ。

遠いどこかにいる穂乃花に、
何か伝わるんじゃないかと。

そんなことを考えて、彼女を
思い出すと、いつもここで
彼女の好きだった曲を
弾いて……」



あぁ、そうか。



先生が弾く曲のほとんどを
あたしがよく知ってたのは……

全部幼い頃、お姉ちゃんが
弾きながら色々教えてくれた
曲だからだったんだ。



「あたし達は……先生の
ピアノを聴きながら、同じ
人を想ってたんですね……」


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