《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
あたしが先生のピアノに
あれほど惹かれたのも、
もしかしたらそのため
だったのかもしれない。
「……そうだね。でも――…」
先生はそう言うと、
窓ガラスから手を離し
あたしに向き直った。
そして深く一度息をついて、
申し訳なさそうにこう言う。
「……正直、君に穂乃花を
重ねていたよ。
ピアノが好きで、当時の
穂乃花と同じ年頃で。
それに苗字が一緒だった
から、重ねて見ずには
いれなかった。
でも――穂乃花は、
一人っ子だって言ってたんだ。
だからまさか君が彼女の
妹だなんて、思いも
よらなかった……」
_
あれほど惹かれたのも、
もしかしたらそのため
だったのかもしれない。
「……そうだね。でも――…」
先生はそう言うと、
窓ガラスから手を離し
あたしに向き直った。
そして深く一度息をついて、
申し訳なさそうにこう言う。
「……正直、君に穂乃花を
重ねていたよ。
ピアノが好きで、当時の
穂乃花と同じ年頃で。
それに苗字が一緒だった
から、重ねて見ずには
いれなかった。
でも――穂乃花は、
一人っ子だって言ってたんだ。
だからまさか君が彼女の
妹だなんて、思いも
よらなかった……」
_