《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
「一人っ子? お姉ちゃんが、
自分でそう言ったんですか?」



「あぁ。間違いなく、そう
言ってたよ」



「そんな……どうして……」



あたしは俯いて黙り込む。



どうしてお姉ちゃんは
そんなことを言ったんだろう?

恋人に嘘をついてまで、
なぜ妹の存在を隠した
かったの……?



「もしかしたら………」



ひとつだけ、ふと思い
浮かんだことがあった。



――お姉ちゃんの日記、
最後の苑子さんに宛てた
手紙に書かれていた言葉。



《本当はいつも、心の
奥底では花琳を恐れてた》


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