《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
お姉ちゃんはもちろん
あたしを愛してくれていた
けど、裏腹に心の奥では、
演奏家としての不安や
嫉妬にかられてたんだ。



だけどそんな弱い部分を、
彼女は誰にも言わなかった。



強がりや期待に応えたいと
いう思いから、より近い
存在の相手にこそ、それを
隠して、超然と振る舞おうと
していた……。



(だからこそ……先生には、
嘘をついたのかも……)



妹の存在に怯える、弱い自分。



そんな自分は見せたくない
からこそ――妹なんて
いない、別の自分のふりを
したかったのかも――…。


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